かつて私が訪れた嵐山は、
どこか静かで、ゆったりとした時間が流れている場所でした。
20代の頃に感じたその印象を思い浮かべながら、
今回あらためて訪れてみると――
少し違う景色が広がっていました。
ニュースで耳にする「観光公害」という言葉が、
数字ではなく、目の前の光景として実感される場面も。
それでも、
その中でどう過ごすかによって、
旅の印象は大きく変わるとも感じました。
私たちが実際に歩いて感じた、
「今の嵐山」の様子をお伝えします。
雨のスタート、それでも旅は始まる
出発の日は、あいにくの雨。
旅の始まりが雨だと、
少し残念に感じるものですが、
実はこれまでの経験上、
雨の日は観光地の混雑が和らぎ、
普段よりゆったり回れるというメリットもあります。
とはいえ今回は、
「窓のないリッチ号」への乗車予定もあり、
少し複雑な心境でのスタートとなりました。
そこでまずは、雨を避けて京都駅で少しだけ寄り道。
大階段や空中径路、ストリートピアノなど、
雨の日でも楽しめる場所に立ち寄りながら、
ゆっくりと旅のスタートを切ることにしました。

嵯峨嵐山駅で感じた“インバウンドの現実”
京都駅からJR嵯峨野線に乗車。
車窓から見える景色を楽しみながら、
少しずつ嵐山へ近づいていきます。
途中、太秦映画村の横を通ったときには、
一瞬見えたエヴァンゲリオンの機体に
思わず「おっ」と気分が上がる場面も。
そんなちょっとしたワクワクを感じながら、
あっという間に嵯峨嵐山駅に到着しました。
電車に乗っているときから、
なんとなく感じてはいました。
「あれ、乗っている人のほとんどが外国の方かも…?」
そんな空気のまま、ドアが開き、
ホームに人が流れ出します。
見渡す限り、人・人・人。
そして、そのほとんどが外国人観光客。
一気に、観光地の空気に包まれました。
そして、降り立ってまず感じたのは――
「ここ、日本だよね?」
想像していた以上のインバウンドの多さに、
少し驚いた瞬間でした。
渡月橋〜嵐山の街歩き
嵯峨嵐山駅を出て、
まず感じたのは、あの混雑が嘘のような静けさでした。
駅にはあれだけの人がいたのに、
少し離れるだけで人の流れは分散され、
ホテル周辺は意外なほど落ち着いた空気に包まれています。
今回宿泊したホテルも駅のすぐ近くでしたが、
周辺は騒がしさとは無縁で、
「こんなに静かな場所なんだ」と、少し驚きました。
荷物を預けて身軽になったあと、
傘をさしながら嵐山の中心エリアへ。
進んでいくと、
道の両側にお土産屋さんや飲食店が並び、
一気に観光地らしい賑わいに変わっていきます。
そしてたどり着いたのが、渡月橋。
雨の嵐山は、しっとりしていて
とても綺麗でした。
ただし、人は多い。
思うように前に進めないほどの混雑で、
立ち止まる場面も何度かありました。

特に雨の日は、傘をさしている分だけ
人との距離も近く感じられ、
想像以上に混雑している、という印象でした。
一方で、少しエリアを外れると、
落ち着いた空間に戻れるのも嵐山の特徴です。
実際に、ホテル内のカフェはとても静かで、
地元の方がゆっくり過ごしているような雰囲気でした。
観光地のすぐそばに、
こうした“休める場所”があるのは大きなポイント。
人混みで疲れたときに、
すぐに落ち着ける場所へ戻れる。
この環境は、思っていた以上に快適でした。
今回、食事を外で探すのではなく、
宿泊先で済ませるプランにしていたこともあり、
移動や待ち時間に追われることなく、
自分たちのペースで過ごすことができました。
結果として、
「観光地の賑わい」と
「落ち着いた時間」
その両方を、無理なく楽しめたように思います。
トロッコ列車|雨の日にわかったことと注意点
今回楽しみにしていたのが、嵐山のトロッコ列車。
中でも人気なのが、
窓ガラスのない「リッチ号」と呼ばれる車両です。
横に窓がなく、
風や音をそのまま感じられる開放的なつくり。
天井はガラス張りになっていて、
見上げると空や紅葉を楽しむことができます。

実際に乗ってみると、
景色との距離がとても近く、
まるで自然の中を走っているような感覚でした。
写真を撮るときもガラスの反射がなく、
そのままの景色を切り取れるのが魅力です。
ただし、このリッチ号には
ひとつ大きな注意点があります。
それが、「雨の日は濡れる」ということ。
窓がないため、
横から雨が入り込んできます。
さらに車内では傘をさすことができないため、
雨対策は必須です。
雨対策に必須のポンチョですが、
実はこれ、現地で探そうとすると意外と見つかりません。
嵐山エリアは観光客が多く、
お店を探すだけでもひと苦労。
時間も限られている中で、
ポンチョを探し回るのは正直おすすめできません。
実際に私たちも事前に調べてみたものの、
「どこで買えるか」という具体的な情報は見つけられず、
少し困った経験があります。
そのため、雨予報でリッチ号に乗る予定がある場合は、
嵐山に向かう前に用意しておくのが安心です。
私たちは新大阪駅の100円ショップで購入してから、
京都へ移動しました。
こうしておくだけで、
現地で慌てることなく、
安心して観光に集中することができます。

今回も乗車直前まで小雨が降っていたため、
私たちはポンチョを準備していました。
結果的に乗車時には雨は止んでいましたが、
座席はしっかり濡れている状態。
そこで役に立ったのが、
事前に用意していたナイロン袋でした。
座席に敷くことで、
水滴を気にせず座ることができ、
安心して景色を楽しむことができました。
【👉ワンポイント】ナイロン袋は持っておくと便利
今回活躍したナイロン袋ですが、
京都観光では意外と役に立ちます。
・濡れた椅子に敷く
・荷物を一時的に入れる
・靴を脱ぐ場所での靴入れとして使う
京都では、神社やお寺で靴を脱ぐ場面も多いですが、
袋が用意されていないこともあります。
そんなときのために、
ナイロン袋を1〜2枚カバンに入れておくのがおすすめです。
雨のトロッコ列車は大変な面もありますが、
その分、特別な景色に出会えることもあります。

ふと見上げると、
屋根に一枚のもみじ。
こういう何気ない瞬間も、
オープン車両だからこそ見つけられた景色でした。
「雨だからこそ見られる景色」
そんな体験を感じられる時間になりました。
【注意】保津川下りは雨で運休になることも
嵐山観光では、
トロッコ列車と保津川下りを
セットで楽しむ方も多いと思います。
私たちもその予定でした。
ただ、訪れた日は雨の影響で
保津川下りは全面運休に。
予約していた方も含め、
その日は体験することができませんでした。
保津川下りは、
当日の天気だけでなく、
上流の雨量によっても運休が決まるそうです。
京都市内が小雨でも、
上流で雨が多いと運休になるケースがあります。
そのため、
「当日の天気が大丈夫そう=必ず乗れる」ではない
という点は、
事前に知っておくと安心です。
予定に組み込む場合は、
代替プランも考えておくと安心です。
嵐電エリアの光の柱と夜の静けさ
夕方以降は、嵐電嵐山駅周辺へ。

嵐電(らんでん)の嵐山駅には、
「キモノフォレスト」と呼ばれる空間があります。
京友禅の布地が使われたポールが並び、
夜になるとライトに照らされて、やわらかく浮かび上がります。
まるで光の中を歩いているような、不思議な感覚。
昼のにぎわいとは少し違う、
落ち着いた時間が流れていました。
約600本のポールが並ぶこの空間は、
嵐山の夜の人気スポットのひとつです。
ホテルに戻って、しっかり休む
混雑の中を歩いたあとは、
ホテルに戻ってひと休み。
外のにぎやかさとは対照的に、
宿の中はとても静かで落ち着いた空間でした。
今回宿泊した「ホテルビナリオ嵯峨嵐山」は、
駅からすぐの立地でありながら、
人の流れから少し外れていて、ゆっくり過ごせます。
そして、楽しみにしていた夕食。
正直そこまで期待していなかったのですが、
いい意味で予想を裏切られる内容とボリュームで、
一日の疲れがほっとほどけるような時間でした。
早朝の竹林へ|それでも人は多い
2日目は早朝に起きて、竹林の小径へ。
「早朝なら空いているはず」
そう思っていました。
でも、現実は違いました。

この写真は、朝6時半ごろの様子です。
この時点では、まだ人は少なめでした。
ただ、
このあと周辺を2時間ほど歩いて戻ってくると――
人の数は一気に増え、
道が見えないほどの混雑に。
「早朝なら空いている」
そんなイメージを、いい意味で裏切られました。
結論|嵐山は“早朝でも混む”
今回の旅で一番感じたことは、
嵐山は早朝でも混む
ということでした。
「人が少ない嵐山」を期待して行くと、
少しギャップがあるかもしれません。
それでも嵐山は行く価値がある
混雑は確かにあります。
でも、
雨の景色
トロッコ列車
夜の嵐電エリア
早朝の空気
それぞれに良さがありました。
大切なのは、
“空いている前提で行かないこと”
だと感じました。
今回の旅で感じたのは、
嵐山は早朝でも混むという現実。
ただし、
時間帯を少しでも早める
混雑前に動く
無理をしない設計にする
この3つを意識するだけで、
体験の満足度は大きく変わると感じました。
嵐山は、また行きたいと思える場所でした。
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