ひとり旅も最終日。ひざ痛とともに迎えた朝
初めてのひとり旅。
2泊3日の旅も、あっという間に最終日を迎えました。
運動不足が祟って、ひざが悲鳴を上げた2日目。
歩くのも困難になり、マッサージを受けたその翌日――
足に貼ったシートの効果もあったのか、ゆっくりなら歩けるくらいに回復していました。
ホテルでの朝の過ごし方
旅の朝は、静かにゆっくりと始まりました。
本来なら「3日目もどこか1か所くらい観光できたら…」と考えていましたが、ひざの痛みが出てからは予定変更。
「また来ればいい。無理せず、今回は帰るだけにしよう」
そう決めて、チェックアウトの11:00まではホテルでのんびり過ごすことにしました。
ホテルでゆったり過ごすことの価値
観光旅行といえば、かつての私は「分刻みのスケジュール派」。
朝からホテルを飛び出して、時間いっぱい動き回るのが当たり前でした。
でも、コロナ禍のある日、ホテルから一歩も出ずに過ごした経験がありました。
そのとき感じたんです。「ホテルでゆっくり過ごすのも、意外といいな」って。
京都駅まで、あえて歩くという選択
そんなふうに、旅の楽しみ方にも少しずつ変化があらわれていた私。
この日もその気持ちを胸に、2泊お世話になったホテルをチェックアウトし、京都駅を目指して歩き始めました。
行きと同じく、地下鉄に乗れば5分。
でもなぜか私は、両肩に重たい荷物を抱えたまま歩くことを選んでしまいました。
五感で感じる旅の価値
きっと、「京都をもっと自分の五感で感じたかった」んだと思います。
今はテレビやスマホで、世界中の風景を家にいながら楽しめる時代。
でも、現地で感じる空気感や音、におい、温度、そこにいる人々――
五感を通して得られる“体感”には、比べものにならない深みがあります。
そして、そうやって得た体験は、心にしっかりと刻まれるもの。
あるにおいをかいで思い出が蘇ったり、
懐かしい味に触れて、ふと過去がよみがえったり…。
きっと私は、それをまた京都で感じたかったのです。
祇園祭の気配と、私の足が向いた先
「烏丸御池駅から四条駅まで、一駅だけ歩こう」
そう決めて、ゆっくりと歩き出しました。
四条通の横断歩道を渡ったとき――
ふと四条大橋の方面を覗くと――祇園祭の準備が始まっている様子でした。
人混みが苦手な私は、たぶん一生足を運ぶことはないと思っているけど、
こうして準備風景をちらっと見ただけで、
「祇園祭かぁ、どんな雰囲気なんだろう…」と、想像が膨らみました。
そのまま歩いているうちに、あっという間に四条駅に到着。
「これなら五条駅まで歩けるかも?」
よせばいいのに(ひざ痛いのに…)そんなことを思ってしまって、歩き続けました。
見えない“なにか”に呼ばれて
「せっかくだし、もう少し歩いてみようかな」
そんな気まぐれが続いた3分後――
左の路地から、なにかに呼ばれたような気がしました。
見えるのは、ビルばかり。神社やお寺は見当たりません。
でも、妙に惹かれるような感覚――。
今回の旅は「直感を信じる」こともテーマのひとつだったので、
「気になるなら、行ってみよう!」と思い立ち、まずはGoogleマップで確認。
すると、少し先に「佛光寺(ぶっこうじ)」というお寺があることがわかりました。
あとで調べてみると、佛光寺は真宗佛光寺派の本山で、親鸞聖人ゆかりのお寺。
豊臣秀吉の命で今の場所に移された歴史あるお寺なのだそうです。
旅の締めくくりに出会ったお寺
「どこか1か所だけでも観光したい」
そんな思いと、「近くに食堂がある」という地図情報に背中を押され、佛光寺へ向かうことに。
雑多なビルや飲食店が並ぶ道を抜けた先に、
白い塀と瓦屋根の立派な建物、そして「佛光寺」の看板が見えてきました。
塀に沿って歩くと、開放感ある入り口。
中に入ってみると、そこには思っていた以上に立派なお寺が広がっていました。
本堂は視界に収まらないほど大きく、
朱色の「京都らしい」お寺とは違って、黒と白が基調の重厚な佇まい。
「これぞ、日本のお寺!」という落ち着きと威厳を感じました。
詳しくはこちら(「そうだ 京都、行こう」公式サイト)をご覧ください。
→ 佛光寺|京都観光オフィシャルガイド
今回は靴を脱ぐのが難しかったので、本堂の中へは入らず、外からゆっくり眺めました。
木陰も多く、曇り空だったこともあって、とても過ごしやすい境内でした。
静けさに癒されるお寺のカフェ
地図上では佛光寺の近くにあると思っていた食堂は、実は佛光寺の敷地内にある「dd食堂京都」でした。

風情あるお寺の一角に、こんなにも心がほっとする空間があるなんて——。
元は檀家の集会所だった建物を、お昼は食堂として開放しているそうです。
靴を脱いで段差を上がると、畳敷きの空間があり、お寺を眺めながら、ゆっくりと過ごせました。
少し高めの座椅子と、低めのテーブルは、ひざが痛い私にも、正座が苦手な海外の方にも利用しやすいと思いました。
座椅子は本当に座り心地が良くて、
本気で購入を考え、帰宅後に検索したほどです。
高価で手は出ませんでしたが、
あの座り心地なら納得、と思えるクオリティでした。
胡麻尽くしのランチにほっこり
この日のランチは、期間限定の「京都・山田製油定食」。
・ごまの水餃子
・ほうれん草のごま和え
・ごま豆腐
・ごまスープ
・「ごまがら実山椒佃煮」のせ白ごはん

胡麻尽くし定食は、香りも味も大満足!
京都らしさがぎゅっと詰まった、満足度の高いランチでした。
お腹も心も満たされて、思わず笑顔に。
――まさか旅の最後に、こんな出会いが待っていたなんて。
最後までセレンディピティ
街中にたたずむ立派なお寺。
その中にある静かな食堂での、思いがけないランチ。
自分の直感を信じた先に、こんな素敵な出会いがあったなんて。
旅の最後に、またまたセレンディピティが訪れてくれました。
(※セレンディピティ=偶然の幸運)
無事に帰宅、心に残る初めての旅
はじめての2泊3日京都ひとり旅。
思った以上に、充実した楽しい旅になりました。
たくさんの思い出と、新しい感覚を携えて――
あとは、無事に帰るだけ。
佛光寺の塀沿いを歩いて四条駅へ、
そこから地下鉄に乗って京都駅へ到着。
行きと同じルートをたどって、無事に帰宅しました。
次の一歩への小さな決意
「何かやらなきゃ!」
そんな思いから始まった今回の旅。
実現するまでには、いくつもの小さなステップがあって、
そのひとつひとつが、私にとっては大切な時間でした。
家にいるのも好きだけれど、アラフィフの今だからこそ思うこと。
「定年したら…」と先延ばしにしていた“やりたいこと”。
そのいくつかは、今このときに思い出して、実現していきたい。
今回、一歩を踏み出した私。
グッジョブ、自分!
ーーさて、次はどこへ行こう。
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