【京都】膝痛と向き合った鞍馬山歩き|今を大切にする旅

ひとり旅

貴船口から鞍馬へ|展望列車「きらら」でプチ移動

貴船を後にして、貴船口駅まで戻った私。

せっかくここまで来たので、
「鞍馬寺にも行ってみたいな」と思いました。

時刻は、まだ11時前。
ホームで電車を待っていると、叡山電鉄鞍馬線の鞍馬行が到着!

さっそく乗り込みました。

ここでまた、うれしいセレンディピティ。
来たのは、展望列車「きらら」!

そのまま「きらら」に乗って、鞍馬へ向かいます。

貴船口駅→鞍馬駅 運賃220円 約3分乗車

木の駅舎と天狗の里へ|私の、ちいさな冒険がはじまる

あっという間に、鞍馬駅に到着!

駅舎は、趣のある木造建築。
ホームには、木製のベンチも置かれていました。

私が訪れたときは、駅舎の中にたくさんの風鈴がつるされていて、
カランコロンと涼しげな音が響き、こころ落ち着く田舎の空気。

さらに、天狗のお面も飾られていて、
「あ~、鞍馬と言えば天狗だっけ」と、しみじみ。

駅を出ると、目の前には大きな天狗のオブジェ!

その迫力に、思わず立ち止まってカメラを向けてしまいました。
赤い顔に長い鼻、ぐっと見開かれた目──
まるで、「ようこそ鞍馬へ!」と迎えられているような気分。

まわりには深い緑も広がっていて、
この先に続く鞍馬寺への道のりへの期待が、ぐっと高まりました。

駅からすぐ!迫力の仁王門と拝観スタート

駅を出て、徒歩2分ほど。
短い道のりの間に、小さなお土産屋さんを見かけました。
特に買い物はしなかったけれど、
「山椒」が名物なのかな?と気になりつつ通り過ぎます。

そして目の前に現れたのは──
立派な仁王門!

赤く塗られた大きな門に、まわりの新緑がよく映えて、
思わず立ち止まってしまうほどの美しさでした。

仁王門をくぐったあと、すぐに**拝観料(愛山費)**を支払って、いよいよ鞍馬寺の境内へ。


📌【鞍馬寺 拝観について】
・拝観料(愛山費)は高校生以上500円。中学生以下は無料。
・この料金で境内や本殿周辺などを参拝できます。
・基本は朝6時〜夕方まで開いていますが、門自体は24時間開いているので、時間外も自由に出入りOK。(※ただし夜間は暗くて危険なので注意!)
・本殿内の授与所は朝9時〜夕方まで。


膝が痛い私が選んだのは、ケーブルカールート!

拝観料を支払ったあとは、いよいよ境内へ。
ここからは徒歩で登るルートと、ケーブルカーを使うルートに分かれていました。

本来なら、鞍馬寺の自然を感じながら、
ゆっくり歩いて登るのも魅力的だったのですが──

このときの私は、ちょっと膝に不安があって……。

迷わずケーブルカーを利用することにしました!

ケーブルカーは片道200円(寄付金扱い)で乗ることができます。
境内の中腹まで、ぐっと楽に運んでくれるので助かりました。

ケーブルカーの発着駅にもなっている普明殿は、
本堂のような立派な建物で、待ち時間もほとんどなくスムーズに乗車。

ちなみに、徒歩ルートを選ぶと、
仁王門から続く**九十九折参道(つづらおりさんどう)**を、
40分ほどかけて登ることになります。

自然いっぱいの参道を楽しみながら歩けるのが魅力ですが、
なかなかの坂道なので、歩きに自信のない方や、体力を温存したい方には、
ケーブルカー利用をおすすめしたいです!

わずか2分間の絶景旅!鞍馬山ケーブルカー

いよいよ、鞍馬山ケーブルカーに乗車!

実はこのケーブルカー、**「日本一短い鉄道路」**なんだとか。
駅に貼られていた案内で知って、思わず「へぇ~!」となったよ。

閑散期は15分~20分間隔での運行。
乗車時間は、ほんの約2分ほどです。

私が乗ったときは、そこまで混んでいなくて、
行きも帰りも無事に席に座ることができました。

わずか2分の乗車とはいえ──
車内の窓から広がる景色は、まさに絶景

深い山々に囲まれた鞍馬の自然。
「鞍馬には天狗が棲む」「修験者が修行した山」っていう言い伝えも、
この景色を見れば納得できる気がしました。

ふと眼下を見下ろすと、徒歩ルートの参道もちらりと見えて。
なかなか険しそうな道のりに、「ケーブルカーを選んでよかった……」と心の中でしみじみ。

ちなみに、鞍馬寺の公式サイトでは、
このケーブルカーについて、こんなふうに紹介されています。

鞍馬山ケーブルは、足の弱い方や年配の方が少しでも楽に参拝できるように敷設されたもので営利事業ではありません。
そこで運賃を戴くのではなく、鞍馬山内の堂舎維持にご協力いただいた方に、そのお礼としてケーブルを利用していただくということになっています。
(※鞍馬寺公式サイトより引用)

この文章を読んで、ますますありがたみを実感。

もしこのケーブルカーがなかったら、
参拝をあきらめなきゃいけない人も、きっと多いよね。

足の弱い方や年配の方でも、鞍馬寺の本堂へと近づける──
そんな心遣いが、山深い鞍馬らしいなぁと、しみじみ感じた乗車時間でした。

多宝塔駅から本殿金堂へ|なつかしい山道をゆっくり歩く

ケーブルカーで多宝塔駅に到着したら、ここから本殿金堂を目指して、山道を10分ほど歩きます。

この山道に生えていた植物や木々たちは、
子供の頃に山の畑へ向かう道中で見た景色とよく似ていて、
なつかしい気持ちになりながら、ゆっくり堪能して歩きました。

道中には展望台があり、山々が連なる美しい眺めを楽しめます。
しばらく景色を堪能したあと、少し階段を登った先にある休憩所「洗心亭」で、
お茶を買って小休止しました。

(※ちなみに、「洗心亭」にはトイレはなかったので注意!)

休憩後には、金運UPしないかなぁ~(笑)なんて軽い気持ちで、
学芸・財宝を司る福神「巽の弁財天社」にお参り。

そのあと、急な階段をやっとの思いで登りきり、ようやく本殿金堂へたどり着きました!

鞍馬寺 本殿金堂へ|澄んだ空気と「虎」の守り神

やっとの思いで急な階段を登りきると──
目の前に現れたのは、立派な本殿金堂!

広場のような空間が広がるその場所は、
まさにパワースポットと呼ぶにふさわしい雰囲気でした。

こころなしか、空気も澄んでいて、おいしく感じる。
山を登ってきた疲れが、すっと癒されるような感覚でした。

本殿金堂のまわりには、狛犬──かと思いきや、なんと「虎」が!
この珍しい光景に、思わず興味津々。

あとから知ったのですが、
鞍馬寺では、狛犬ではなく「阿吽(あうん)の虎」が本殿を守っているんだそうです。

これは、本尊の毘沙門天さまが
「寅の月、寅の日、寅の刻」に現れたという言い伝えにちなんでいて、
虎はそのお使いの神獣なんだとか。

なるほど、鞍馬寺ならではの特別な守り神だったんだなぁと、感動しました!

このあと、境内の端にあったベンチに腰掛けて、
本殿金堂・金剛床が見渡せる絶景休憩タイム。

空の高いところを飛ぶ鳥と空の「青」、
山々の美しい「緑」、
そして寺院の鮮やかな「赤」。

自然と建物が織りなすコントラストを、ゆっくり堪能しました。

できない現実に気づいた旅路|今、一番若い自分へ

本殿金堂までの参拝で、私の今回の鞍馬山歩きはゴール!

本当は、鞍馬寺から貴船神社へと続くハイキングコースにも挑戦してみたかったけれど──
痛む膝では無理だと判断して、入口をちらりと覗いただけで引き返しました。

じつは、旅先で「行きたいのに行けない」経験をしたのは、これが初めてのことでした。

歩くのが好きで、今まではどこへでも「自分の足で歩く!」一択だった私。

だからこそ、今回、 「もう、歩けないんだ」
「行きたい場所にも行けないんだ」
そんな現実を、真正面から突きつけられて──
すごくショックを受けたんです。

年齢を重ねること、体力が落ちること。
それは、気持ちだけではどうにもならない現実なんだと、初めて痛感しました。

仕事が落ち着いたら、
お金が貯まったら、
時間ができたら──

そんなふうに「いつか」と思って後回しにしてきた旅。

でも、その「いつか」は、
体も心も、今ほど自由じゃないかもしれない。

だからこそ──

やりたいことは、今やろう。
行きたい場所には、今、行こう。

今が、一番若いんだから!

そんな気づきを与えてくれた旅になりました。

またひとつ、特別な思い出が増えた京都旅。
小さな痛みと、大きな学びを胸に抱えて、
私は、次なる旅路へと歩き出しました。

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