【京都】奥座敷 貴船神社に行くなら早朝がおススメ

ひとり旅

週末の京都、朝の地下鉄移動は意外とスムーズでした

旅行2日目。
この日は「下鴨神社」に行くと決めていましたが、それだけじゃちょっと物足りない気がして――

その時の気分で選んだのが、奥座敷・貴船神社でした。

最近は、ニュースなどで「京都の観光地は混雑している」とよく耳にしますよね。
実際、前日にその混雑ぶりを肌で感じた私は、

「せっかくなら、ひと気の少ない時間帯に観光したい!」

と思い立ち、もともと早起きが苦手だけど、ちょっと頑張って早起きすることにしました。

宿泊していたハートンホテル京都を出発したのは、
まだ街に人の姿がちらほらとしか見えない、朝の静かな時間帯。

烏丸御池駅から地下鉄に乗って、出町柳駅へと向かいます。
烏丸御池駅→出町柳駅 運賃450円 約15分乗車

週末の朝ということもあって、道も電車内もとても静か。
少し肌寒く感じるくらいの空気が、むしろ心地よくて――

「早起きは三文の徳」って、こういうことかも。

清々しい朝の空気に包まれて、自然と心まで整っていくようでした。

そして、出町柳駅に到着した頃には、
ちょうど展望列車「きらら」の出発時刻も近く、ラッキーなタイミング!

自然とワクワク感が高まっていきました。

展望列車「きらら」で味わう、青もみじのトンネル

私が乗ったのは、
叡山電鉄鞍馬線の展望列車「きらら」。

しかも、一番乗りでした!

人気の展望席も、
どこに座るか選び放題でラッキー。

電車が出町柳駅を出てしばらくは、
街中のビルや住宅が続く、ちょっと無機質な風景。

でも、それもほんの束の間。
少しずつ、窓の外に緑が増えてきて――

気がつけば、木々が線路のすぐそばまで迫ってくるように生い茂り、
電車はまるで“緑のトンネル”の中を走っているみたい。

春の新芽のようなやわらかな黄緑から、
青々と育った濃い緑へと変わっていく景色に、思わずうっとり。

ただ眺めているだけで、
心がすーっと癒されていくような感覚です。

展望席じゃなくても、
この景色はじゅうぶん楽しめる!

早起きしてでも、ぜひ一度乗ってみてほしい電車です。

出町柳駅→貴船口駅 運賃470円 約28分乗車

意外と遠い!貴船口駅から神社まではバス推し

貴船口駅に到着すると、
すがすがしい空気と森の香りが出迎えてくれました。

ホームからバス停のある道路へと続く階段を降りると、
まるで水の中にいるような湿度の世界。

駅の掲示物はふにゃりと波打ち、
髪の毛もこころなしかしっとり。

まさに、“山あいの梅雨”を全身で感じる瞬間でした。

駅を出てすぐに見えたのは、
前日までの雨で増水した貴船川。

白い飛沫をあげながら勢いよく流れるその光景は、迫力満点。

あまりの迫力に、思わず足を止めて見入ってしまいました。


貴船口駅から貴船神社方面へは、バスに乗って向かいました。

車窓から見える石垣や川沿いの木々の風景が、
まるで物語の中の世界のよう。

“奥座敷”という言葉がぴったりな、
静かで風情ある時間を味わえました。


実は行く前、「歩いて行けるのかな?」と少し迷っていたのですが、
実際に歩くには思っていた以上に距離がありました。

しかも坂道で、歩道も狭くて歩きにくそう……。

結果、バスにして大正解!


京都バスの 33系統(貴船線) は、
貴船口駅前から神社近くまでを約5〜10分で結んでいます。

運賃は大人180円(ICカード利用可)
バスは30分に1本ほどのペースでやってきます。


歩きに自信がない方や、体力に不安のある方には、
迷わずバスをおすすめしたいです!

初夏の貴船、神社までの参道で“川床の風景”に出会う

バスを降りたあとは、ここから徒歩。
貴船神社までは、坂道を登っていきます。

道のわきには狭い歩道。
そのすぐ横を、車の列がひっきりなしに通り過ぎていきました。

行きと帰りで交通量がまったく違っていて、
**「朝早く来て、本当によかった……!」**と心から思いました。

周辺には、飲食店や宿泊施設がいくつも並んでいて、
歩いているだけでも、どこか風情を感じるエリアです。

そして、川沿いでは夏の風物詩「川床(かわどこ)」の準備が始まっていました。
でもこの日は、前日の雨で貴船川の水量がすごくて、
畳が濡れるほどの勢い!

開店前のお店の方たちは、濡れた畳を拭いたりと準備に大わらわ。
そんな光景にも、この土地ならではの**“初夏の風物詩”**を感じました。

何軒かのお店を通り過ぎたころ――
目の前に、赤い鳥居たちがあらわれて。

ついに、貴船神社が見えてきました!

赤い鳥居をくぐって本宮へ|水みくじ“雨降れど吉”

並ぶ鳥居は壮観だったよ!

赤い鳥居が連なる本宮参道。 いよいよ、貴船神社の中へ――。

階段を一歩ずつ登っていくと、どんどん気持ちが高まってきます。 私はワクワクした気持ちで登っていたのですが、 途中でふと振り返ったら、誰もいない瞬間があって…… なんだか、特別な風景を“ひとりじめ”できたようで得した気分になりました。

登りきったところにあるのが、休憩所「龍船閣(りゅうせんかく)」。

私はここでひと休み。 貴船川沿いの道を行きかう人や車、 開店準備をしているお店の人たちをぼんやり眺めながら、 「今、貴船にいるんだなあ」としみじみ感じていました。

本宮では、お参りをすませたあとに 人気の「水占(みずうら)みくじ」に挑戦。

水に浮かべると文字がじんわりと浮かび上がってくる、不思議なおみくじです。

ドキドキ、ワクワクしながら結果を待つと……「中吉」! ちょっとリアクションに困る運勢でしたが(笑)、 「病気:重し」という一文には一瞬ドキッ。 でも「旅行:雨降れど吉」という言葉に、今回の旅を重ねてちょっと嬉しくなりました。

境内には、茅(ちがや)でできた大きな輪もありました。 これは「茅の輪くぐり」といって、6月25日から行われる“夏越の祓”という神事みたい。

くぐってみたかったけど、たくさんの観光客がいたので今回は見るだけに。 それでも、くぐる人たちを見ているだけで この土地の“季節の行事”にふれた気分になりました。

小さな出会いに心ほどけて|結社と奥宮へ

本宮をあとにして、さらに奥へ。
涼やかな風が抜ける滝のそばを通り、
短い橋を渡って、少しずつ山の奥へと足を進めていきます。

その道すがら、貴船周辺ではライトアップの準備が行われていて、
作業をしている方たちを何人も見かけました。

気になって「なにかイベントがあるんですか?」と声をかけてみたら、
機材のセッティングをしていた男性が
「ちょっと詳しくなくて…」と少し照れたように応えてくれて。
そのあと、私の通行に気づいて、
重そうな機材を抱えながら、すっと横によけてくれたんです。

その配慮がとてもあたたかく感じられて、
私も「頑張ってくださいね」と自然に声をかけていました。
目が合って、ほんの一瞬笑いあった、そのやりとり。

たったそれだけのことだけど、
ひとり旅だからこそ、そういう小さなふれあいが心に残りました。

名前も顔も、もう思い出せないけれど、
あのときの優しさと笑顔は、
きっとずっと、貴船の記憶と一緒にある気がしています。

そうして歩いていくと、
やがて見えてきたのが、貴船神社の「中宮」、通称「結社(ゆいのやしろ)」。

ここは縁結びのご利益で知られる場所。
境内には、願いごとをそっと託す「結び文」がたくさん結ばれていて、
この地が、昔から人と人との“ご縁”を大切にしてきた場所なのだと感じました。

静けさの中にもやさしさがあって、
足を止めて、ゆっくりと手を合わせたくなるような空気が流れていました。

さらに道を進み、奥宮の門をくぐったところで
私の足がぴたりと止まりました。

左手にあったのは、**「連理(れんり)の杉楓(すぎかえで)」**という一本の木。
杉と楓という、ちがう木がまるで寄り添うように成長していて、
その姿に、なぜか強く心を惹かれました。

しばらくのあいだ、私はただ黙って見上げていました。
写真にはきっと収まりきらない、不思議な存在感がそこにはあって。

奥宮の中には、**「船形石」**と呼ばれるご神体もあります。
そのまわりをぐるりと一周してみると、
積まれた石のあいだから、岩清水がぽたり、ぽたりと流れていて……
苔むすその風景に、心がすっと落ち着いていくのを感じました。

心に残る朝を胸に、足はまだ止まらない

奥宮から引き返して、
坂道を下りながら貴船口駅へと向かいます。

ところが……
行きには見かけなかった観光客の姿が、どのお店の前にもたくさん。
とくに人気の「流しそうめん」のお店では、
歩道にまで人があふれていて、通り抜けるのもひと苦労でした。

しかも、道幅は決して広くなくて、
車も人もひっきりなしに行き交うので、
気をつけて歩かないと接触しそうになる場面もあって……
正直、けっこう神経を使いました。

そのうえ、坂道を下っていると膝にじわじわ負担がかかってきて、
途中、何度も足を止めながら、やっとの思いでバス停まで戻りました。
バスが見えたときには、ほんとうにほっとして……
正直、ちょっとぐったりしてしまっていました。

そうして、バスに乗って貴船口駅へ。

席に腰をおろした瞬間、私は思わずふぅっと息をつきました。

そのとき、しみじみと思ったんです。

やっぱり、貴船に行くなら早朝がいちばんだな」って。


こうして、私の貴船神社めぐりはひと区切り。
静かな朝の空気から始まったこの旅は、
人の多さに驚いた帰り道まで、忘れがたい時間になりました。

でも――せっかくここまで来たのだから。
このあとは、もうひと足のばして“鞍馬寺”を目指すことにしました!

次回はその道中を、またたっぷりと綴っていきたいと思います。

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