面会とリハビリの様子
義妹と娘と私の三人で父のお見舞いに行った。私たちを見ると、父はものすごく嬉しそうな表情になったのが印象的だ。到着後すぐに、受付横のガラス張りスペースでリハビリが始まった。横になり、右手を作業療法士に上げてもらう訓練などを行う。
驚いたことに、父は自分のベッドから自力で起き上がり、ベッドに腰掛け、自力で車椅子に座れるようになっていた。その動作はかなりスムーズだった。
リハビリを始めた当初、右手は自分で動かすことはおろか、意識すらできていない状態だったが、自分の左手で右手を体の中心に引き寄せ、動くことをアピールする様子が見られた。
リハビリ中、作業療法士が寝た状態の父の右手を90度に立てた状態で手を離すと、自分の力だけで数秒間、右手をそのまま維持できていた。
入浴後の雑談と会話の進歩
リハビリが終わり部屋に戻ると、すぐに入浴だと言われたので帰ろうとした。すると父は手招きをし、側へ寄ると「すぐに済むけぇ」と耳打ちしてきた。
これは、入浴からすぐに戻るからそれまで居てくれという意味だと理解し、「なら、待ってるね」と送り出した。
入浴後、戻ってきた父と30分ほど4人で雑談した。私たちが「歩行は大切だが、普段ほとんど歩かない」というような話をしていると、父が笑顔で昔の話をし始めた。
話の内容は、私の祖父(父の父)と父の弟である叔父の「遠くの職場から歩いて帰った」エピソードだった。元気な時にも聞いたことのない昔話を、楽しそうに話してくれた。内容は多少整合性が取れていない部分もあったが、懐かしそうに話す父の顔を見ることができて満足した。
言葉は、さらに滑舌が良くなっており、病院の机で対面に座っていても少し身を乗り出せば聞き取れるレベルになっていた。ただし、言いたいことが言葉になって口から出るまでには、まだ時間を要するため、会話のテンポはかなり遅い。全ての単語が拾えるわけではないが、進歩が見られた。
歩行訓練の大幅な改善とリハビリの進展
雑談後、次のリハビリの時間になり、前回状態を説明してくれた理学療法士さんが来てくれて、歩行訓練へ向かった。
今日の歩行は杖なしで、理学療法士さんが腰辺りにそっと手を添えているだけで、自力でスムーズに歩いていた。昨日はたまに右足が床に引っかかる場面もあったそうだが、今日は張り切っていたのかそれもなく、素人目にもとてもスムーズな歩行に見えた。
歩行タイムも測定しており、5メートルほど先に置いた障害物まで歩いて戻ってくる時間を測っていた。以前は43秒くらいだったのが、今日は23秒くらいに短縮していたそうだ。
また、階段(段差)を登るリハビリも始まっていた。
次回の面談とこれからのこと
理学療法士さんが私を見つけ、向こうから「次の面談をしたいがいつがいいか」と聞いてくれた。そこで義妹を紹介し、「次は長男が話を聞きに来ます」と伝えた。13日の15時に約束し、弟と義妹と母の三人で話を聞くことになった。
両親の自宅は、急な坂を上り下りする場所にある。せっかく回復した父が、家の坂で転んで骨折でもすれば、リハビリの努力が無意味になる。山や坂を歩けたとしても、実家に住むのは避けた方が良いと考えている。今日の父の歩行状態は、足が痛い母よりもはるかにスムーズだったが、あくまで支えありきの状態だ。
退院までに、賃貸を借りて二人で暮らすことも含めた様々な選択肢の中から、両親にとっての最適解を導き出す必要がある。
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