2025年7月26日|父、治療とリハビリを並行しておこなう

家族の記録

父が麻酔から覚めて、初めて面会に行けた。
鼻や腕から管をつけたまま、ベッドに横たわっている状態。

声をかけると、目を覚ましてこちらを見てくれた。言葉を発しようとしていたが、声が小さく呂律も回っていない。何を言っているのか理解するのに、根気と時間がかかる。
言葉が不自由な人と接した経験がなく、父の言葉を待ちきれずにかぶせるように話してしまう。いけないと思いつつ、うまくテンポがつかめない。

理学療法士がリハビリに来てくれた。
以前は傷が癒えてからリハビリを始めていたが、今は一日でも早く始める方が回復が早いと分かっているとのこと。
治療とリハビリを並行して行う。父も管につながれたままだが、すでにリハビリが始まっていた。

理学療法士からは、右側の認識が下がっているため、父になるべく右側を意識させるように面会時の立ち位置や話しかけ方を工夫するとよい、という話があった。
具体的には、ベッドサイドの右側に立つ、右側から話しかけて首を右に向けさせる、などの方法があるとのこと。

理学療法士からのアドバイスを受けた後、まずリハビリ開始前に体温と血圧を測定。
昨日は熱が出ていたが、今日は平熱。

血圧は面会で興奮しているせいか高め。ぎりぎりリハビリNG値。
少し落ち着いてから測り直し、ぎりぎりOK値に収まった。

リハビリ開始。
寝ている状態から、理学療法士の介助でベッドに座った。
右手が全く機能していないため、自分では右手の存在を認識できていないようだった。
まず右手を体の中央に置き、右手を含め体ごと支えて座らせていた。
支える手を離すと、自力では体を支えて座位をキープできず、体が斜めに傾いていく。

靴を履かせてもらい、「せーの」で立ち上がらせてもらう。
この時も右足にはほとんど力が入らず、一人で立つのは困難な様子。

そのまま準備された車椅子に座った。
父に用意されたのは、頭と首までしっかり支えられるタイプの車椅子。
まだ自分で頭を支えるのが難しいため、このタイプを使用しているとのこと。

理学療法士が押す車椅子で病室を出て、少し離れたミーティングスペースへ移動。
父は車椅子のままテーブルにつき、私たちも周りに座った。
10分ほど会話の時間。
父は私たちと理学療法士の会話を聞いていた。
話しかけると瞬きやわずかなうなずきで反応は返るが、言葉のやり取りは難しい。
父の声は小さく、はっきり聞き取れない。

その後、車椅子ごと体重計に乗って測定。
来た道を戻り、再び病室へ。

車椅子から立ち上がり、ベッドに腰掛け、横になる。
これでリハビリ終了。
元気な頃なら何でもない動作と距離の移動だが、今の父には大きな運動で、強い疲労を伴う。
実際に少ししんどそうで、眠そうにしていた。
すべて理学療法士の介助があって成り立つ動きだった。

リハビリ後、ベッドに横になった父が、点滴の針が刺さっている辺りを触りながら言葉を発した。
「痛い」と言っていたのだと思うが、聞き取りは難しかった。おそらく「痛い」だろうと判断し、看護師を呼んだ。
もう少し会話が成立すれば、父にしてあげられることも増えるのにと、歯がゆさを感じた。

言語聴覚士によるリハビリも始まっているとのことで、今日はそこで父にお別れを告げて帰った。

言葉・嚥下と右手・右足の機能回復。
これから父は、たくさんの人の手を借りながら回復を目指すのだろう。
小さく地味な作業を毎日積み重ねられる性格の人なので、願わくば少しでも回復してほしいと思う。

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