12日、父の退院に向けた主治医および社会福祉士との面談が行われた。
【面談での父の意向】
家族と病院側は、入院可能な最長期間(1月26日、目安は1月15日前後)までリハビリを継続することを前提としていたが、父は面談で「11月末には家に帰る」と早期退院の意向を強く主張した。父がそんなに早い退院を望んでいたのは初耳で驚いた。色々な意味で11月末退院というのは現実的ではないため1月退院を前提として話を進めていたら、病院側や家族に自分の意見を無視されたと感じた父が、声を荒らげる場面もあり、場の空気が一瞬凍り付いた。最終的に私が間に入り話をまとめたが、父は終始不満そうな表情をしていた。
父の現状認識とギャップ
父は脳卒中前とほぼ同じ生活ができると考えているようだ。 同居する母への負担という観点は薄く、退院後すぐに畑へ行くつもりでいる。農作業への復帰がリハビリのモチベーションであったため否定はできないが、倒れる前と全く同じ生活に戻ることは、家族として困難であると感じる。現時点の父に、これをどう納得してもらうかが課題だ。
- 自宅から畑までは約3km弱。
- 道は平坦なアスファルトだが、歩道はほぼない。
- 現状の父が一人で徒歩往復できるかは未知数。
母が膝の痛みを抱えながら送迎するのか、高額なタクシーを使うか、本人の意思を尊重して一人で行かせるか。夫婦二人で判断すべきこととはいえ、悩ましい問題である。
面談での確認事項
- 一度退院すると、同じ病院への再入院は不可。
- 父は現在のリハビリ内容に不満を持っている。
- 主治医は「まだ伸びしろがある」としてリハビリ継続を推奨。
- 父が強く拒否した場合、早期退院の可能性もあり得る。
- 本日の面談を起点に、父専属のケアマネージャー選定を開始する。
ケアマネージャー選定と今後の流れ
ケアマネージャーは居住地の事業者から空いている担当者が割り当てられる。実家地域は高齢者が多くケアマネ不足のため、選定が難航する恐れもあるとのこと。
決定後は、父本人・ケアマネージャー・病院スタッフ・家族(私と母)・建材業者(手すり設置)で日程を合わせ、自宅訪問を行う。 退院前に父が一時帰宅し、自身の足で環境を確認できるプロセスがあることは、家族として非常に心強い。
自宅改修と補助金
手すり設置について建材業者と工期を確認した。 早々にケアマネージャーが決定し、11月末に自宅訪問ができれば、父の退院(1月中旬目安)までに設置完了の見込みだ。
- 工事費用: 30〜40万円程度の見込み。
- 介護補助金: 上限20万円まで利用可能。
- 例:30万円の工事の場合、補助金18万円・自己負担12万円の計算。
運転免許と車両の利用について
主治医の見解では、車・自転車ともに利用は控えるべきとのこと。
- 自動車: 病院での運転テストも可能だが、実施しない方向。主治医より自主返納を勧められた。タクシー割引等の恩恵があるため、早めの手続きが望ましい。手続きは父本人が警察署へ行くのが最も簡易であるため、妹が父の退院時期に合わせて帰国し、同行する予定である。
- 自転車:リハビリで安全確認の上、練習は可能とのこと。父がこだわるようであれば、一度体験させて現実的な判断を促すのも選択肢の一つである。
退院後の懸念と今後の課題
父は「動けるようになった=完治」と捉えているが、脳の病気は外見で判断しにくく、完治の定義は慎重を要する。医師の説明を受け入れない背景には、「もう治った」と信じたい心理があるのだろう。 弟や妹とも連携し、父が納得しやすい形で「1月までリハビリを続けるメリット」を伝えていく必要がある。
現時点では、父の早期退院希望と、周囲のリハビリ継続推奨が交差している状態だ。 今後はケアマネージャー決定と自宅訪問を経て、環境を整えていく。父の意志を尊重しつつ、最優先事項は「母への負担軽減」と「安全確保」である。

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